【事例24】20代、男性(後遺障害なし)

保険会社の主張する過失割合90:10→訴訟により15:85に逆転した事案
 

ご相談、ご依頼のきっかけ

100.png右折用の青矢印灯火の信号に従い右折した自動車と直進自転車との衝突事故について、自転車運転者から「自分は青信号に従って進行した」のだという主張がなされているということで、自動車運転者(相談者)から相談を受けました。
 

当事務所の活動

本件は、事故発生時の信号灯火状態について当事者間に争いがある事案でした。認定される信号灯火状態により、過失割合が大きく変わる事案であったことから、普段以上に相談者のお話を詳しくお聞きし、細かい事実を確認していきました。
また、刑事事件の記録一式を取り寄せ、事故態様を確認するとともに、信号サイクル表の分析を行い、実際に事故現場に出向くなどして、事故現場の状況を確認しました。防犯カメラの有無、目撃者の有無等も確認し、当事者以外の関係者からも事情を聞くなどし、立証活動を行いました。
 

当事務所が関与した結果

105.png当事者双方の主張の対立が大きく、示談交渉が決裂したため、裁判所に訴訟を提起いたしました。
自転車運転者の主張どおりであれば、相談者(自動車運転者)の基本的な過失割合は90%であるのに対して、相談者の主張どおりであれば、相談者の基本的な過失割合は20%となると考えられる事案であり、裁判所における審理に1年半程度を要しました。

訴訟において、客観的な証拠をできるだけ集めて提出するとともに、当事者に対する尋問手続きにおいて丁寧に事実を確認した結果、裁判所から当事務所の主張に概ね沿う和解案(相談者の過失割合15%)が提示され、裁判上の和解により事件が終了しました。
 

弁護士の所感

本件のような事案では、関係車両の動きなどに加えて、どの時点でどのような信号灯火状態だったのかという点を慎重に判断する必要があり、防犯カメラの映像等の客観的な証拠がない場合、その判断はかなり難しくなります。
どの程度の証拠収集ができるのか、収集できた証拠の証明力はどの程度かなど、時間と労力をかけて検討、分析する必要があります。
このような事案については、是非一度弁護士にご相談ください。