【事例25】30代、女性、頚椎捻挫による頚部痛(非該当)

後遺障害非該当であるものの金350万円で解決した事案
 

ご相談、ご依頼のきっかけ

100.png車両同士の衝突事故により、事故直後から頸部痛、上肢痛等が現れ、比較的長期間の治療を受けたのですが、残念ながら後遺症が残ってしまったことから、当該後遺症に対する適正な評価を受けたいということでご相談にいらっしゃいました。
 

当事務所の活動

主治医にお会いして相談者の具体的な症状、考えられる医学的原因、今後の緩解の見込み等に関する具体的な説明を受けた後、自賠責保険会社に提出するための後遺障害診断書の作成を依頼しました。
主治医とお話しする中で、後遺障害診断書と共に提出したほうがよいと思われた資料の存在が判明したため、当該資料のご提供も受けました。
 
また、MRI検査等のために通っていた病院にも出向き、画像所見を含む各種検査所見の有無等について、担当医師の説明を受け、追加的な意見書の作成を依頼し、実際にご作成いただきました。
 

当事務所が関与した結果

105.pngかなり詳細な医学的証拠書類を提出したにもかかわらず、自賠責保険会社は、相談者に残存している後遺症について、「自賠責保険における後遺障害には該当しない」との判断をしました。
 
レントゲンやMRI等の検査において明確な異常所見が認められない点を重視した判断のように思われました。
しかしながら、そのような所見が認められなくとも、受傷時の状態や治療経過等から、事故被害者の訴えが医学上説明のつくものであり、自覚症状が単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるような場合には、訴訟において、後遺障害等級14級の認定がなされる可能性が高いといえます。
 
そのため、基本的には訴訟提起の方向で進めていくことにして、もし示談交渉において加害者側から合理的な示談案の提示がなされた場合には、訴訟提起はせずに示談による解決を図るという方針を立てました。

訴訟提起を前提にした証拠書類等を整理して、今すぐにでも訴訟提起できるという状態にして、加害者側保険会社に送付し、損害賠償金を請求しました。
そうしたところ、加害者側保険会社から、後遺障害についても勘案された内容(金350万円)での解決の提案があり、ご本人と協議の上、金350万円での解決を選択することとしました。

金350万円での解決というのは、後遺障害等級14級が認定されている事案でも有り得る程度の金額での解決です。
 

弁護士の所感

後遺障害等級14級と後遺障害等級非該当との間では、支払われる損害賠償金の額に大きな差があります。

ただ、後遺障害等級の認定を受けるのは、必ずしも簡単ではありません。
今回の相談者のように症状が重く、複数の医師による医学的意見があったとしても、非該当の判断がなされることがあります。
 
本来後遺障害等級が認定されるべきと思われる事案において、後遺障害等級が認定されていない場合が散見されます。
交渉の仕方次第では、非該当の場合でも一定の合理性のある示談案が提示されることもございます。
 
そのような事案については、是非一度弁護士にご相談ください。