むち打ちで異議申立により、14級の認定を受ける方策

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事故後、治療を6ヶ月以上受けても、頚部痛、手の痺れ、腰痛、足の痺れ等の症状が残存してしまい、やむなく医師に後遺障害診断書の作成を依頼して、後遺障害を申請したものの、非該当という判断がなされてしまうことがあります。
 
自賠責保険の後遺障害認定手続きは、書面審査で行われ、醜状障害の場合の面談を除いて、被害者の方からの聞き取りは行われません。そのため、現実に症状が明確に残存していても、非該当という判断がなされることが少なくありません。
 
最初の認定で非該当という判断がなされた場合でも、異議申立により、改めて、見直してもらうことで、14級が認定されることは少なくありません。
 
しかしながら、必要かつ適切な資料を追加して、添付して提出しない限り、非該当という判断が覆されることはありません。
 
非該当という認定結果が送られてきた場合は、以下の項目をチェックして、適宜、必要な書類を準備して、提出する必要があります。
 
当事務所では、異議申立も積極的に行っておりますので、非該当の認定結果に納得がいかない場合には、お気軽にご相談下さい。
 

事故態様

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事故態様が大きければ大きいほど、14級の認定の要件を満たす可能性が高まります。
しかしながら、必要な資料を提出しない限り、自賠責損害調査事務所では、事故状況を正確に把握できません。
 
事故態様を証明するためには、事故時の写真があれば、写真を提出するのが望ましいです。
ご自身で撮影していなければ、警察が作成した実況見分調書に写真が添付されていることがあります。
仮に写真が添付されていなくても、実況見分調書には正確な事故状況の図面が付いていますので、それによって事故態様を証明することができます。
適宜、実況見分調書を取り寄せて、提出するのが望ましいです。
 
それ以外に、修理費用の明細書を添付することでも、事故の大きさは証明できます。
修理費用が30万円を超えるのであれば、一定の大きさの事故であることが証明できます。
 
最初の申請時に、事故時の写真、実況見分調書、修理費用の明細書を提出していない場合には、取得して、添付することが考えられます。
 
 

通院期間・通院回数

通院期間は、少なくとも180日以上必要という印象を持っています。
特に、画像所見や神経学的所見が脆弱な場合、より長い治療期間が必要な印象です。
後遺障害は、「将来においても回復困難」な症状という建前ですので、6ヶ月未満の通院期間では、将来においても回復困難な程度か否か判断できません。
 
もし、事故から症状固定まで180日を超えていない場合でも、その後、自分の健康保険を使用して自費で通院を続けていたような場合は、その通院時の領収書や診療記録を添付して提出することで、症状の継続を証明することができることがあります。
 
通院回数は、整形外科に週1回以上、整骨院と併せて、100回以上あることが望ましいです(過去には、通院回数100回程度が目安と言われていたこともありますが、現在は、ハードルが上がっている印象を受けています。)
後遺障害は、「将来においても回復困難」な症状という建前ですので、余りにも通院回数が少ない場合には、軽微な症状と判断されてしまい、将来においても回復困難とは認定されにくくなります。
 
もし、症状固定後(医師が後遺障害診断書を書いた以降)も、自分の健康保険を使用して自費で通院を続けていたような場合は、その通院時の領収書や診療記録を添付して提出することで、通院の継続を証明することができます。
 
以上のとおり、症状固定後も、自分の健康保険を使用して自費で通院を継続していたような場合には、通院時の領収書や診療記録を添付して提出することが考えられます。
通院が長期に及ぶような場合は、治療内容や症状について、医師に医療照会をして、照会結果を添付することも考えられます。
 

画像所見の有無

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後遺障害の認定においては、自覚症状を裏付ける画像所見の有無が極めて重要です。
特に、MRI画像における所見の有無が重視されている印象を持っています。
 
後遺障害診断書に、「MRI画像にて、C4/5頚椎椎間板ヘルニア」等の記載がないか、確認して下さい。
あるいは、非該当の認定結果に、画像所見に触れられた記載がないか、確認して下さい。
 
MRI画像にて、何らかの所見が認められる場合には、外部の医療画像鑑定を専門に行う放射線診断専門医に鑑定を依頼することで、より詳細な画像所見が得られることがあります。
自覚症状を画像所見によって、明確に裏付けることができることもあります。
場合によっては、主治医が見逃していた所見を発見してくれることもあります。
 
詳細な画像鑑定を添付することで、自覚症状を医学的に裏付けることが可能になります。
当事務所では、画像鑑定を依頼できる機関を少なくとも2つは確保しておりますので、お気軽にご相談下さい。
 

神経学的所見の有無

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後遺障害の認定においては、自覚症状を裏付ける神経学的所見の有無が重要です。
 
後遺障害診断書に、「スパーリングテスト右+」とか「ジャクソンテスト右+」等の記載がないか、確認して下さい。
 
もし記載がなければ、通院した病院の診療録を取り寄せて、記載内容を確認する必要があります。
医師は、診察で忙しい状況下、後遺障害診断書を作成しますので、診療録の途中に記載のある神経学的所見については、記載し損ねていることがあります。
そのため、診療録の途中には神経学的所見の記載があるものの、後遺障害診断書には記載されていないということも少なくありません。
 
また、医師によっては、そもそも神経学的検査をほとんど行わないこともあります。
その場合は、効果は薄いものの、非該当の判断が出た時点で、別の病院で神経学的検査を実施してもらうということも考えられます。
 
診療録を取り寄せて、確認したところ、実は神経学的所見の記載が存在したということであれば、それを添付して提出します。
別の病院で検査を受けて、所見が認められた場合にもその結果を添付して提出します。
 

自覚症状の内容・一貫性

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後遺障害診断書の自覚症状の記載内容を確認して下さい。
ご自身の症状が正確に記載されていますでしょうか。
医師は、忙しいが故に、極めて簡素に記載をされることがあり、それで足りることも少なくないのですが、症状の記載自体が漏れてしまっているということも少なくありません。
 
特に、常時痛、安静時痛について、ご自身の認識と記載が異ならないか確認する必要があります。
「上を向いたときに頚部の痛みあり」等のいわゆる体動時痛の記載では、14級は認定されにくい印象です。
もし、常時痛、安静時痛が残存しているにもかかわらず、後遺障害診断書の自覚症状欄に、体動時痛の記載がなされてしまっているのであれば、医師に自覚症状欄の訂正ないし追記を依頼する必要があります。
 
また、症状が事故発生から症状固定時まで、一貫して継続していたのであれば、そのことについて、医師に医療照会をすることが考えられます。それによって症状の一貫性が証明できるのであれば、医療照会の結果を添付して提出することが考えられます。
症状固定後も同じ病院に通院しているということであれば、異議申立時点までの症状の推移について医療照会をして、症状の一貫性を証明することも考えられます。
 
 
以上のような方策を採って、ご自身の症状をできるだけ正確に、自賠責保険に対して証明する必要があります。
 
証明が不十分であれば、本来認められて然るべきである事案でも、認められないということになってしまいます。
異議申立の方策でお悩みでしたら、お気軽にご相談下さい。