将来要する費用
将来介護費
被害者に介護が必要となる後遺障害が残存した場合の症状固定後の介護に要する費用が、損害として認められます。
後遺障害等級が1級や2級の場合、近親者1日当たり8000円程度、職業付添人実費全額が損害として算定される傾向にあります(被害者の具体的状況により、金額に変動がみられます)。
将来介護費は、認められると期間が長いことが多く、金額も高額になるため、加害者側から強く争われることが少なくありません。わずかな対応の違いが、最終的に大きな金額の差につながりかねないことから、将来介護費が問題となるような事案においては、必ず弁護士に相談される必要があるといえます。
将来治療費
将来治療費とは、いわゆる症状固定(治療を続けても、それ以上症状の改善が望めない状態)の判断がなされた以後の治療費のことです。
治療を続けても、それ以上症状の改善が望めない状態と判断されたわけですから、それ以後の治療費は、基本的には損害として認められないこととなります。
しかしながら、
ⅰ 治療によって症状の悪化を防止する必要性がある場合
ⅱ 持続する苦痛を軽減するために治療の必要性がある場合
などには、症状固定後も治療費が損害として認められることがあります。
将来治療費が問題となるような場合には、弁護士に相談されることをお勧めいたします。
家屋改造費
被害者が後遺障害により、従前暮らしていた住居で生活することができなくなり、家屋を改造した場合(スロープの設置、段差の解消、トイレ・浴室の改造等)、後遺障害の内容・程度により、家屋改造費が損害として認められることとなります。