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桝田・丹羽法律事務所

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京都地裁平成2年11月15日判決

事案の概要

昭和60年12月 8日 受傷(被害車両にて停止中に後方から追突され、その衝撃で更に前方車両に衝突した事故)
昭和60年12月12日 入院
昭和61年 3月15日 退院
平成61年 7月17日 症状固定
 

診断名

頚椎捻挫、腰椎捻挫
 

裁判所の判断

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自賠責保険では後遺障害について、非該当と判断されているものの、原告の頭痛、頚部痛、肩こり、腰痛、目のかすみ、結膜の充血、鼻出血の出現、精神不安定等について、後遺障害等級14級10号に該当すると判断しています。
 

判断の根拠

裁判所は、以下の事情を挙げて、原告の症状について、後遺障害等級14級10号に該当するとしています。
①事故時にかなり高い程度の強い衝撃を受けている。
②XP画像上、第3、第4頚椎間に不安定性、腰椎に軽度の側弯があり、神経症状を難治化した原因となっている。
 
それ以外にも、以下の事情が裁判官の心証に影響を与えたと判断されます。
①通学していた専門学校を休学したが、その後、退学していること
②事故後、221日間休業していること
 
本件は、事故態様が相当程度であったことが裁判官の判断に大きな影響を与えたと思われます。
事故態様が大きい上に、症状を裏付けるそれなりの他覚的所見があり、実際に休業、退学をしていること等から後遺障害が認定されたものと推測されます。
 
裁判所は、医学的所見はもちろんですが、事故後の被害者の生活状況全体を見ますので、事故後、休業が続いている事情は大きく斟酌されることとなります。
 
逆に言えば、事故後も休業することなく、勤務が継続できている場合には、それが仮に本人の努力によるものだとしても、医学的な所見等が相当程度ないと、立証に窮することになるともいえます。