横浜地裁平成26年10月16日判決
事案の概要
平成23年9月10日 受傷(自動二輪車で優先道路を直進中に交差点で車と衝突)
平成24年11月5日 症状固定
自賠責保険の判断
頚肩痛、右上肢しびれ、耳鳴り等について、後遺障害等級14級9号が認定されています。
原告は、後遺障害等級14級を前提として、既払い金を控除して、金1001万2409円を求めて、訴えを提起しています(14級前提で請求額が1000万円超えているのは、労働能力喪失期間を67歳までで算定しているからです。)。
裁判所の判断
訴訟の中で、原告の作成したブログが証拠として提出されており、その中で、以下の事実が明らかになっています。
①事故から約2ヶ月後には、市のバトミントン大会で準々決勝まで勝ち残っていること
②約4ヶ月後には、1時間10分ジョギングをしていること
③その後も10㎞のロードレースに参加して15位になっていること
④富士山登山をしていること
これらの記載を根拠として、裁判所は、事故から約3ヶ月後の平成23年12月31日に症状固定と認定して、後遺障害の存在を否定しています。
当然ですが、その結果、後遺障害慰謝料も後遺障害逸失利益も否定されています。
最終的に、既払い金が損害額を上回っているとして請求自体が棄却されています。
弁護士の所感
ブログに、体調が悪いことばかりを書いていれば、誰も見なくなってしまうので、前向きなこと、面白いこと等を中心に書くということは理解できますが、それにしても、裁判官の印象が悪いのは明らかです。
近時は、ブログやフェイスブックなどに自分の生活状況を記載される方も少なくないので、訴訟提起前には、弁護士においても裁判官の誤解を招く記載がないか、確認する必要があります。