弁護士による医師面談
【目次】
【当事務所における医師面談の件数】
|
2017年 |
2018年 |
2019年 |
医師面談 |
28 |
20 |
45 |
医師への書面での依頼 |
103 |
88 |
116 |
医師面談とは
交通事故において、被害者の方は、医療機関に通院することを余儀なくされます。
治療を継続しても症状が治らない場合には、後遺障害の申請を余儀なくされます。
当然ですが、医師が診断書を作成しますので、治療の継続や後遺障害の認定においては、医師の判断が極めて重要となります。
そのため、毎月作成される経過診断書、後遺障害診断書の記載について、弁護士が医師と直接に面談をする必要が生じることがあります。
面談は、次の2通りがあります。
①弁護士・被害者と医師で行う。
②弁護士と医師のみで行う。
①の場合は、普段の診察に弁護士が同行する形で実施することが多いです。
医師によっては、多少時間が掛かることを想定して、その日の診察の一番最後の時間に面談の予約を入れてくれることもあります。
通常は、事前に医師ないし病院に申し入れをした上で、面談を行うことが多いです。
上記のとおり、医師面談は交通事故事案の解決において、非常に重要になることが少なくないです。
そのため、当事務所では、医師面談が必要と判断される場合には、積極的に医師に会うようにしております。
当事務所では、これまでに多数の医師面談を実施しておりますので、札幌市内、札幌近郊の医師に関する情報が蓄積されています。
医師面談が必要な状況
医師との面談が必要となる主な状況は以下のとおりです。
後遺障害診断書の記載について
後遺障害の申請をする際、医師に後遺障害診断書を作成してもらいます。
しかし、医師は、治療の専門家であり、後遺障害の申請について、必ずしも精通しているとは限りません。
そのため、後遺障害の認定に必要な記載が漏れてしまっていることがあります。
場合によっては、必要な検査自体が実施されていないこともあります。
当然ですが、必要な記載が漏れていれば、後遺障害は認定されないことになります。
そこで、申請前に、弁護士が後遺障害診断書の記載を確認して、不備があれば、医師に追記等を依頼する必要が出てきます。
受傷日の間違い、症状固定日の漏れのような単純なものであれば、弁護士が面談をするまでもなく、ご本人を通じて依頼すれば、すぐに修正ないし追記に対応してもらえることが多いです。
ただ、必要な検査が実施されていない場合等、少し混み入った内容の場合には、弁護士が、後遺障害認定との関係で必要であること等を説明して、修正等に対応してもらうことが必要となります。
医療照会について
保険会社から、治療費の支払いの打ち切りを打診されたような場合、医師に治療期間についての医療照会を行う必要が出てきます。
また、事故による傷病の治療のために手術が必要となった際に、相手方保険会社がその必要性を争ってくることがあります。その場合、事故との因果関係を確認するために医師に医療照会を行う必要が出てきます。
訴訟において後遺障害を主張する際には、事故によって当該後遺障害が残存することになったメカニズムを説明する必要が生じることがあります。そのような場合にも、医師に医療照会を行う必要があります。
弁護士から医師に対して、医療照会書を郵送して依頼することで足りる場合も少なくないですが、混み入った事情を照会する際には、事前に医師と面談をする必要が出てきます。
混み入った事情を唐突に書面で照会すると、医師においても、質問の意図が分からず、全く意味のない回答がなされてしまうことがあるからです。
経過診断書の記載について
交通事故の治療では、医師が毎月、自賠責用の経過診断書を作成して、相手方保険会社に送付して、治療費を請求しているのが一般的です。
経過診断書は、傷病名、症状の経過等を記載するのがメインですが、転帰を記載する欄もあり、治癒、継続、中止、転医等のチェック欄が設けられています。
相手方保険会社が治療費の支払いを打ち切ったタイミングで、医師によっては、被害者が健康保険等を使用して治療を継続しているにもかかわらず、自賠責保険での治療を終了したという意味で「治癒」に丸をして、提出してしまうことがあります。
そのようなことがありますと、それ以降の治療費は相手方に請求できなくなりますし、慰謝料等にも影響が出てしまうことになります。当然、症状が残ってしまっても後遺障害の申請ができないことになってしまいます。
その場合、記載内容が事実と異なっていますので、修正等の対応をしてもらう必要が出てきます。
そこで、医師と面談をして、事情を説明して、記載の修正を依頼することになります。
書面による依頼
医師によっては、弁護士との面談をしないと決めている方もいらっしゃって、面談を申し込んでも断られることがあります。
また、医師によっては、面談を申し込んでも、多忙等を理由に、書面での照会を希望されることもあります。
そのような場合は、面談ではなく、細心の注意を払って、書面での依頼や照会を行わざるを得ません。
医師はプライドの高い方や警戒心の強い方も少なくないので、面談をすることで却って、不必要に警戒されて、マイナスの方向に働いてしまうこともないとはいえません。
その辺りは、過去の医師面談の経験、被害者の方から聴き取った当該医師の特性等を考慮した上で、細心の注意を払って、最善の方法を選択するようにしています。
ご本人による依頼
弁護士が直接に医師と面談をしたり、弁護士から直接に医師に書面での依頼や照会をすることも多いのですが、弁護士が前面に出ることで、医師から不必要に警戒されてしまうこともあります。
また、ご本人から現在の症状を医師に説明してもらった上で、直接依頼された方が、良い結果が出ると見込まれる場合もあります。
そこで、医師に依頼する内容によっては、ご本人から直接に依頼してもらうという方法を選択することもあります。
実際の医師との面談日記
現状、以下のとおり年間20~40件程度、実際、病院に足を運んでの医師面談を実施しております。
書面による依頼を含めれば、少なくとも、年間100件以上、医師とのやり取りをしている状況です。
【当事務所における医師面談の件数】
|
2017年 |
2018年 |
2019年 |
医師面談 |
28 |
20 |
45 |
医師への書面での依頼 |
103 |
88 |
116 |
実際の医師面談の一部を守秘義務に反しない範囲でご紹介いたします。